田舎暮らしを始めた当時、僕の仕事はSE(システム・エンジニア)だった。
転職した先の工場では、生産管理システムを担当することになった。
転職したばかりの頃にやるべきことは、まず今の仕組みがどうなっているかを知ることだった。
今の仕組みを改善しながら、新しい仕組みをのせていくのが僕の仕事だったのだが、最初は、定時で帰れるくらいの余裕のある仕事量だった。
新しい職場で自分の居場所を作る
そんな仕事の中で、とにかく自分の居場所を作るために、何か秀でたモノを持っている必要があると考えていた。
新しいシステムを立ち上げるための準備作業で、今、足りないもの。
それを探していた。
業務の知識やシステムの考え方は、先輩から教わることが出来たが、自分から与えられるモノは何か?
新しい風を送り込む
システムの開発が進み、テストの準備段階になった頃、テストのためのデータ整備、マスタの整備に、とても時間がかかっていることに気がついた。
「ツール(道具)を使えば、短時間で出来るんじゃないかな?」
と思い、提案をしてみたら、そのツールを作れる人がいないことがわかった。
「あ、これだ」
そこから、マイクロソフトの「ACCESS」と「EXCEL」を使ってデータ整備のツールを作成し始めた。
データベース・ソフトの「ACCESS」は、あまり使ったことがなかったので、本を読んで勉強したり、インターネットで情報を得たりしながらそのツールをコツコツと作っていった。
それを広めていくと、次第に、「そのツールを使いたい」という人が増え始めた。
ツールの使い方を説明したり、EXCELの使い方を教えたりしていうちに、
「マスタ整備のことは あの新しいヤツに聞け」
という雰囲気が出来てきた。
他部門の人と仲良くなることができて、社員食堂であいさつする人も増えてきた。
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ようやく自分の居場所が確保できてきて、仕事も面白くなってきた。
しかし、僕の残業時間が少しづつ増え始めていた。
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