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「決めた!! のに・・」
気に入った土地に完成した 建売物件。
土地、工務店、価格に問題はない。
でも、「木の香りのする家」「薪ストーブのある家」「エコな家」
という 注文住宅の夢は かなえられない。
妻と話し合いながら検討をすすめた。
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「注文住宅だと 建売物件よりも多くのお金が かかりそうである」
「気に入った土地をイチから探すのはツラいし、むずかしい」
「建売でも木の香りはしていた」(笑)
「エコな家、薪ストーブのある家は、改築でも可能である」
という結論になった。
「よし!あの家に決めよう!」
ABCホームに電話をした。
「迷っていましたが、決めました!」
と明るく言ったのだが、なんとなくABCホームの社長の歯切れが悪い。
「実はね・・、
昨日、あの家を気に入った人が決めてしまったんですよ・・・
ごめんなさいね。」
「あ・・・そうなんですか・・・」
「うん、その人も昨日までずっと迷っていたようなんだけどね」
「・・・そうなんですか・・・」
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決めた!! のに・・、先を越されてしまった。
そうか・・、あの家を気に入っていたのは自分たちだけでは なかったのか。
手に入らないとなった途端に、あの家の良さがよみがえってくる。
くやしい。
あと、一日早く決めていれば・・・。
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「しょ〜きちさん、下の土地じゃ ダメ?」
「ん?」
「ほら、あの建売の下に100坪の土地があるじゃん?」
「えぇ・・」
「あそこにも、ウチが家を建てるんですよ」
「はぁ・・」
「基本的には同じ家を建てるからさ」
「えぇ、えぇ」
「東南の角地だから、下の土地の方がいいしさ」
「はい、はい」
「これから建てるワケだから、しょ〜きちさんの希望も聞けるしさ」
「はい!はい!」
「間取りも、キッチンも、お風呂も、家の壁の色から内装まで
カタログから選んでもらってさ」
「はい!はい!はい!」
思いがけない提案だった。
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(続く)
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