「気の合わない不動産屋」
理想の土地で 「土地売ります」の看板を見つけた。
土地は バイパス沿いだったが、50mくらい入った場所なので
バイパスを走るクルマの音はそんなにうるさくないし、危険でもない。
元々少し斜めの土地であったようだけど、
土地をならしてあるので 広い平坦な土地になっていた。
たぶん元は近くの農家さんの田んぼ だったのだろう。
看板には
「この土地売ります」
「約200坪、坪単価6万円、建築条件付き」
「お問い合わせは○×不動産へ」
担当者名と電話番号が書いてあった。
坪6万!!
この土地の感じでこの価格は見たことが無かった。
今、決断しないとダメかもしれない!
その場で携帯から電話をした。
不動産会社の受付っぽい女性が出たので、担当の人を呼んでもらった。
でも、その日は担当が休みということだった。
明日、自宅に連絡をもらうことにして、電話を切った。
妻と子供をクルマで連れてきて、土地を見てもらった。
妻も、「いい所だね」と言ってくれた。
■
「建築条件付」という言葉が引っかかった。
家に帰って、インターネットで調べてみた。
要するに、
「その土地に建てる家の『建築業者』は決まっていて、
アナタが変えることはできません」
ということのようだった。
この時、僕たち夫婦の間では、
家を建てるならこの工務店で、と思っていた業者さんがあった。
木のぬくもりを大事にして、エコな家を建てている業者さんだった。
見学会にも3回くらい行っていて、そこの社長さんとも仲良くなっていた。
(あの社長さんに建ててもらいたい。何とかなるのかな?)
■
翌日、不動産屋の担当者から電話があった。
挨拶をしてきたのだが、何だかイヤな感じがした。
話し方が軽薄で、信用できない雰囲気があった。
「建築業者を変えることは出来ないのですか?」
「あ、それは出来ません。建築条件付きですから。」
「あの土地は 元は田んぼだったんですか?」
「そうですよ、でも心配はいらないすよ。調査してますから」
どうも早口で、言葉が聞き取りにくい。
「これからそちらに説明に伺いましょうか?」
もう夜の9時だった。
「いや、もう寝る時間だから」
「あの土地、急がないと売れちゃいますよ。引き合い多いですから」
何となく、カチン、ときた。
「じゃあ、結構です」
電話を切ってしまった。。。
スポンサーリンク
「やっぱりこの土地がいい」へ 続く
|