「田舎で土地を探す(3)」
次にやったのは、近所の氣に入った土地を見つけて、
その土地の持ち主を調べて交渉してみる、というやり方だった。
借りていた家から徒歩3分くらいに、手頃な土地があった。
まっ平らな土地だし、景色もいいし、その土地の東側には、小川が流れていた。
この土地に家を建てられたらウレシイなぁ、と前から考えていた場所だ。
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でもその土地が誰のものかわからない。
近所の家を訪ねて、聞くのが一番手っ取り早いのだけど、
いきなり、家に行ってピンポンを押して
「隣の土地は誰の土地か、わかりますぅ?」
なんていうのは、ちょっと度胸がいる。
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なので、その土地の周りを長男を連れて何度も散歩に行き、
近所のヒトが長男に「ボク、何歳?」などと聞くのを待っていた。
(非効率だなぁ。)
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そのうち、ある一軒の年配の夫婦となんとなく挨拶を交わすように
なったので、おもいきって聞いてみた。
「あの土地を欲しいと思っているのだけれど、持ち主(地主)のヒトを知ってますか?」
「あの土地は元は田んぼだったんだよね。でも誰の土地かは知らないねぇ・・」
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そこで地主さんを自分で調べてみることにした。
まず、土地の場所の住所を調べる。
住所は都会のように、「XX区1丁目2−3」なんて表記はない。
「○○町1234−12」と、とてもアバウトな表記だ。
そして、電柱に「XX区1丁目2」などとは書いてないので、
自分で調べるしかない。
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場所の見当をつけ、市立図書館に行き、「ゼンリンの住宅地図」を見てみる。
その土地のだいたいの住所を調べる。
次に、法務局に行き、その住所で登記簿を取り寄せる。
その登記簿にはどこが、どこの何てヒトの持ち物か書いてあるのだ。
(登記簿を発行してもらうのは有料です。500円かかりました。)
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地主さんの住所がわかったので、その家を訪ねてみる。
30過ぎたオトコが一人で行くと、なんとなく門前払いされそうだったので家族4人で行った。
地主さんの家は、古びた土蔵がある広い家だった。
チャイムを押しても、鳴っているのか鳴っていないのわからない。
(田舎には結構こういう家が多い)
返事がないので、ドアを開けてみる。開く。
「こんにちわ〜。」
怪訝そうな顔をしたおばぁちゃんが顔を出す。
「あの、えと、ワタシ、近所に住むしょ〜きちと申します。
実は、あの土地が氣に入って、あそこに家を建てられればいいなと
思いまして。えと、その、もしダメならそれはそれで。
もしよろしかったらあの土地を売っていただければと思って
こうして伺いました。」
こんなお願いを初対面のヒトにするのは、初めてのことなのでシドロモドロである。
おばぁちゃんは家主を呼んでくれた。
この家の長男と思われるヒト(40歳くらい)が現れ、
あの土地は息子の家を建てようと思って整地した土地なので
売ることはできないんですよ、とキッパリ言われてしまった。
う〜ん、残念。
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この方法で3軒の土地で試みたけど、やはりうまくいかなかった。
でも、新聞広告に出てくる土地情報には満足できない。
よし、じゃあ、今度は、「競売物件」ってのに挑戦してみようじゃないの
というわけで、甲府の裁判所に向かったのであった。
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「競売物件に挑戦する」へ 続く
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